大切なお家がゴミにならないように・・・徳島県上勝町ゼロ・ウェイストに学ぶ

YKK-AP主催の「MY断熱基準をつくろう」~建築夜会vol.14の講師で香川にこられていた南雄三さんとTSE&地域住宅工房の有志と一緒に、翌日の9/7に徳島県の上勝町に行ってきました。ゼロ・ウェイストの見学をするためです。

 

上勝町ゼロ・ウェイスト宣言

上勝町は2003年に日本で始めてゼロ・ウェイスト宣言をしました。

目標は2020年までに焼却・埋め立てゴミをゼロにすること!

 

2015年のリサイクル率は79.5%に達するそうです。

 

めんどくさそう、無理でしょとスグに諦めてしまいそうになりますが、無理なくできる工夫や努力や住民の方にそうする利点がたくさんある方法をとっていると感じました。

持続可能な社会を作るためにするわけですが、無理やりだとそれ自体が持続できませんよね()

 

元々は大きな穴を掘って、焼却処分していたそうです。

しかし、野焼きができなくなり「ゴミ収集車」と「ごみ焼却場」が必要になったのですが、人口1500人のこの町では費用的に無理でした。

 

その中で、この町は素晴らしい選択をしました。

 

「ゴミをつくらない」

「全部リサイクルする」

どうやって、ゴミをなくしているの?

収集場の方によると、ゴミは生ゴミが大部分を占めていたそうです。なので、今では生ゴミはコンポストといって、生ゴミ処理機で堆肥にしています。

補助をだして、全家庭が処理機を所有されているそうです。

みんなが畑を持っているので、一石二鳥になっているとのことでした。

これで、生ゴミがなくなりました。

 

 

それ以外のゴミは、34種類分別してゴミステーションに町民自ら持ち込みます。

分別多すぎ!、ワケわからん!となりそうですが、収集場には常駐の方がいて、丁寧に教えてくれるので、ストレスはないとのことです。

 

収集場の方はとても感じのよい方で、「こんな人おるんやったらごみ出しにいきたくなるわー」と一緒に行った家具屋さん言っていました。

そういうのも大事ですね。

リユースする仕組みも くるくるショップ

 

いらなくなったら捨てる・・・そうなならにようにリユースの仕組みもできてました。

ネーミングも遊び心があってよいですね。

とかく、固くなりがちなことですが、楽しくできそうですね。

 

悪い人がいなくなる?!

 

みんなで家飲みしたときも、酔っ払っても自然と分別している姿をみると、みんな分別が染み付いているし、苦になっていないと思うと、町民の方が言われていました。

分別したり、ゴミをなくすようなことをしていると「悪い人はいなくなるよ」とも言われていました。

そういう効果もあるんですね。

 

上勝町の暮らし

 

 

ハンカチを使いましょう

昼食は上勝町のカフェ・ポールスターでいただきました。

トイレに行くと、↓貼紙が。

 

ペーパータオルを使うとゴミが出る、というわけです。

町中に考えが浸透しているように感じました。

 

LCCMとは

建築屋としてはLCCMを意識せざるを得ません。

LCCMとはライフ・サイクル・カーボン・マイナスの略称です。

 

建設時、運用時、廃棄時においてできるだけの省Co2に取り組み、かつさらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCo2排出量も含めライフサイクル全体でのCo2収支をマイナスにする住宅として提案されたものです。

 

 

まとめ

つまり、スクラップ&ビルドを繰り返すのはCO2をたくさん排出し環境に悪影響を与えてしまいます。

 

・建設時のエネルギーを下げる

 例)地元の木を使い、運送にかかるエネルギーを削減する

・運用時のエネルギーを下げる

 例)断熱性能を高め、冷暖房のエネルギーを最小限にする

   雨漏りや結露を防ぎ、構造体が長持ちするようにする(建物を長く使う)

   メンテナンスし易い=エネルギーが掛からない素材でつくる

・排気時のエネルギーを下げる

 例)土に返る素材でつくる

   リサイクルできる素材で作る

 

 

 ゴミにならない建物を建てるということは、サティスナブルな社会を作るには必要不可欠なことなのです。

 

上勝町は地域創生、人口を増やす努力等々いろいろ興味深いのですが、

・木質バイオマス

・小水力発電

にも取り組んでおり、再生可能エネルギーにも積極的です。

四国で一番小さな町と自称されていますが、一番進んでいる町でもあると思いました。

 

こういう機会をつくってくれた南雄三さん、本当にありがとうございます。