2012年度の四国の採用率3.6%の基礎断熱。
「床断熱」と「基礎断熱」一長一短ですが、パッシブハウスクラス等超高性能をされているかたはほとんど「基礎断熱」を採用していることや、寒冷地での普及率(北海道では50%)を見ると性能面を考えると基礎断熱に軍配が上がると思います。
あるお客様からの質問で、久しぶりに省エネ建築診断士試験のテキストを引っ張り出してきていみたので、ご紹介します。
(下記の画像は省エネ建築診断士試験テキストのものです)
6m×8mの建物(内部立ち上がりなし)での熱解析です。
使用断熱材はXPS50mmです。
まずは基礎内部立ち上がりと土間上にすべて断熱材を施工した場合
熱損失は28.36W
基礎立ち上がり内側のコンクリート表面温度は1.82℃
次は基礎外に立ち上がり外とコンクリート下に断熱材を施工した場合
熱損失は30.6W
基礎立ち上がり内側のコンクリート表面温度は14.4℃
次はよくある基礎外に立ち上がり外とコンクリート上に外から1m程度断熱材を施工した場合
熱損失は55.27W
基礎立ち上がり内側のコンクリート表面温度は1.6℃
次は無断熱
熱損失は65.77W
基礎立ち上がり内側のコンクリート表面温度は9℃
熱損失と表面温度、感覚どおりでしょうか?
質問のあった感覚と違うのは「基礎外」が「基礎内すべて」より熱損失が多いところについてなぜ?というところでした。
先日、香川にこられていたPHJ代表理事森さんに質問すると、計算上表面積が大きいのでそうなるとのことでした。
また、基礎立ち上がりを考慮すると実際は基礎内のほうが悪くなるはず。
納得です。
また、違和感を覚える方もいらっしゃると思うのが、「無断熱」と「基礎内立ち上がり+1m土間断熱」の熱損失があまりかわらないとの事実。
地熱利用の家等、宣伝されていますが20℃を目指そうとすると、損失が大きくなります。
(冬の地熱は15℃程度といわれています)
床暖房した際の熱損失の大きさも(もったいなさ)も想像がつきます。
防蟻等を考えていくと基礎外が絶対によいとは言えませんが、頭に入れておいてもいい情報と思います。