現在の日本ではYKKのフレミングやリクシルのデュオPG等の星一つ(★)のアルミペアサッシが主流ですが、世界的には樹脂製か木製が当たり前になっています。
日本には不思議ですが、そのアイノコのような樹脂+アルミの複合サッシというものが存在します。
外側がアルミ、内側が樹脂というものです。
YKKだとエピソードやAPW310、リクシルだとサーモスHやXがそれにあたります。
樹脂に比べてサッシの見付けが小さくガラス面積が大きいためデザインがいいのが美点です。
最新型は画期的なディテイルを採用して、樹脂サッシ同等の性能を実現したとうたいますが、とても興味深いものがありますね。
資料を入手したので、ご紹介します。
まずは、日本で一番ポピュラーな樹脂サッシYKK-AP社のAPW330です。
06013サイズ(60cm×130cm)のたてすべりマドで外部0℃、内部20℃のときの熱解析です。↓
上枠と下枠の温度は15℃に保たれています。
でも、室温からは△5℃ですね。
続いて、最新型樹脂アルミです。↓
残念ながら下枠で10℃、上枠で11℃です。
温度分布を見ても下枠のアルミの部分が冷えているのがわかりますね。
やはり、アルミとアルミを樹脂でつなぐだけは、ヒートブリッジを抑えるのが厳しいのがわかります。
詳しく解説しますと、マド全体としての熱貫流率(Uw=1.75)が良くても、枠の熱貫流率(Uf=3.26vs1.52)がとても悪いのが原因です。
しかし下表のとおり、従来のシリーズが5℃以下になってしまっていたことを考えるととても改善しているのは事実です。
新建ハウジング 松尾設計室松尾さんの記事より抜粋
APW330の温度が改善されているのは、スペーサーがアルミ==>樹脂になっているからです。
確かにアルミスペーサ仕様だと、ほぼ同じ温度ですね。
最新型のアルミ+樹脂の複合サッシを使用するかどうかは、建築会社やクライアントが決めることです。
しかし、雰囲気ではなく数値で判断することをオススメします。